「生活保護を受けているので、対応できません」
——身元保証を求めて相談窓口を訪ねても、そう告げられて帰路につく高齢者は今も後を絶ちません。施設への入居を希望しても断られ、入院時の保証人も見つからず、行政の制度だけでは届かない場所で途方に暮れる方々がいます。

民間の身元引受サービスの多くが生活保護受給者の受け入れを避ける中、一般社団法人ロングライフサポート協会は2011年から一貫してその現実に向き合い、これまでに184名の生活保護受給者の身元引受を担ってきました。

本記事では、なぜそれが可能なのか、そして持続可能な支援モデルとして全国に広がる可能性を持つハイブリッド戦略の全容をご紹介します。

「生活保護だから断られた」という現実

「生活保護を受けているので、身元引受はお断りします」——。こんな言葉を、福祉の窓口や身元保証会社から告げられた経験を持つ方は、決して少なくありません。

高齢になって体が思うように動かなくなり、施設への入居を考えたとき、あるいは急な体調不良で入院が必要になったとき、「保証人がいない」ことが壁になるのは、経済状況を問わず誰にでも起こりうることです。しかし、現実には生活保護を受給している方々は、民間の身元引受サービスからも、施設からも「受け入れが難しい」と言われるケースが非常に多く、制度の狭間に置かれてしまいがちです。

行政が用意している成年後見制度や地域包括支援センターも、こうしたケースへの対応には限界があります。日常的な生活サポートや、緊急時の連絡対応、死後の事務処理まで含めた包括的な支援を、公的な制度だけで賄うことは現状では難しいのが実態です。

では、生活保護を受けながら身寄りがない方は、どこに頼ればいいのでしょうか。

一般社団法人ロングライフサポート協会が歩んできた道

一般社団法人ロングライフサポート協会は、2011年から現在まで、184名の生活保護受給者の身元引受を継続してきた実績を持ちます。もともと施設運営事業に携わってきた経緯から、「身寄りのない方を施設に迎えるために」行政と協議を重ね、生活保護費の中から月額5,300円〜10,300円という非常に低い料金で身元引受を引き受けてきました。

この金額は、採算という観点からはほとんど利益を生みません。それでも協会が続けてきたのは、「支援が必要な人を断らない」という姿勢を貫いてきたからです。その積み重ねが、行政機関や福祉団体からの信頼につながり、他の民間業者が踏み込まない領域での確かなノウハウを生み出しました。

現在では一般の方々への身元引受が主軸となり、事業としての採算も整ってきています。しかしそれでも、生活保護受給者からの相談は後を絶ちません。「他の会社には断られたが、ここなら相談できると聞いた」「行政の担当者から紹介された」——そうした声が今も届き続けています。

施設の人手不足が新たな課題をもたらした

近年、状況はさらに複雑になっています。慢性的な人手不足に直面する介護施設では、これまで対応していた通院同行や日常的なサポートを、身元引受をしている協会に求めてくるケースが増えてきました。

介護度3以上の生活保護受給者は、自己負担がないことから施設側には少なくとも介護保険上のメリットがあり、施設にとって必ずしも「手のかかる存在」ではありませんでした。しかしスタッフが足りない現場では、そのような論理だけでは回らなくなっています。結果として、協会への依存度が高まり、低い報酬のまま負担だけが増えていくという構造的な問題が生じています。

「生活保護受給者の身元引受は続けたい。しかし、このままでは限界がある」——。そんな課題に正面から向き合い、協会が打ち出したのが、三つの柱からなるハイブリッド戦略です。

持続可能な支援を実現するための三本柱

ひとつ目の柱は、一般の契約者から得られる収益の一部を基金として積み立て、生活保護受給者の支援に充てる「内部補助」の仕組みです。一般契約金の5%を生活保護支援基金として蓄積し、透明性の高いルールのもとで運用することで、採算が取れない支援を安定的に継続できる原資を確保します。これは「社会貢献を事業の一部として組み込む」という考え方であり、持続可能なモデルとして評価できます。

ふたつ目の柱は、居住支援法人としての立場をより積極的に活用することです。ロングライフサポート協会はすでに福岡県において住宅確保要配慮者居住支援法の指定法人となっており、今後は首都圏(東京・埼玉・千葉)への支店展開と指定取得を進め、全国への拡大を目指しています。国は居住支援を強化しており、予算規模も生活保護・住宅セーフティネット関連で数百億円単位(居住支援法人等活動支援事業として10億円超の枠など)で動いています。指定法人であることで行政との連携強化や公的補助金の活用が可能になります。住宅扶助以外の補助金も組み込みながら、低所得者支援の財源を多角化していく戦略です。

三つ目の柱は、実務サポートを協会職員だけで担うのではなく、地域の有償ボランティアや外部リソースに委ねる「コーディネーター型」への転換です。現在約130名いる代理店・サポーターを、5年以内に1,000名規模まで拡大する計画です。生活保護受給者への支援については、1回の出動につき時間単価1,200円・3時間程度を想定した支援金(3,600円程度)を支出する仕組みを検討中で、支援者にとっても施設紹介などのメリットがある関係性を構築できます。

三本柱内容具体的な取り組み期待される効果
① 内部補助による支援基金一般契約者から得られる収益の一部を、生活保護受給者支援の原資として積み立てる仕組み・一般契約金の5%を「生活保護支援基金」として積立・透明性の高いルールで運用・採算が取りにくい支援にも継続的に対応・安定した支援財源を確保できる・社会貢献を事業モデルに組み込める・長期的・継続的な支援が可能になる
② 居住支援法人としての活用強化行政制度や公的支援を積極的に活用し、支援体制を拡大する取り組み・福岡県の居住支援法人として活動・東京・埼玉・千葉への展開を推進・行政との連携強化・補助金や公的制度を活用・支援の信頼性向上・公的資金を活用した安定運営・全国規模での支援体制構築
③ コーディネーター型支援への転換協会職員だけでなく、地域の支援者や外部人材と連携して支援を行う仕組み・代理店・サポーターを約130名から1,000名規模へ拡大予定
・有償ボランティア制度を導入、1回3時間程度、約3,600円の支援金を想定・地域ネットワークを活用した支援
・支援人材不足の解消・地域密着型のサポート実現・迅速かつ柔軟な支援対応が可能になる

全国モデルとして広がる可能性

この三本柱のハイブリッド戦略が注目される理由は、単に「一つの法人が工夫した」という話にとどまらないからです。生活保護受給者の高齢化・増加は全国的な課題であり、身元保証問題は都市部から地方まで共通して深刻化しています。

居住支援法人の指定を軸に行政と連携しながら、内部基金と外部リソースを組み合わせる仕組みは、他の地域でも応用できる再現性の高いモデルです。国の政策との方向性とも合致しており、今後は改正生活保護法における地域居住支援事業との連携も視野に入ります。

ロングライフサポート協会が15年以上かけて積み上げてきた実績と信頼、全国131拠点のネットワーク、そして税理士監修による透明な資金管理体制は、このモデルを単なる構想ではなく実行可能な現実として支える基盤です。

相談窓口を広げ続ける理由

「他では断られた」という方からの相談に、ロングライフサポート協会が向き合い続ける理由は、経営戦略的な差別化だけではありません。「どんな経済状況にある人でも、安心して老後を迎えられる社会をつくりたい」という根本的な理念が、15年以上の実績の背景にあります。

生活保護を受けているという事実は、その人の人生の重さや尊厳を変えるものではありません。入院や施設入居のとき、そして人生の最期に向き合うとき、誰かが「家族の代わり」として寄り添ってくれる——その安心感は、すべての人に等しく必要なものです。

生活保護受給中で、身元保証について悩んでいる方、あるいは担当のケースワーカーや福祉関係者として相談先を探している方は、一度ロングライフサポート協会にご連絡ください。一人ひとりの状況に合わせた対応について、丁寧にご相談に応じます。

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